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しばらくするとガラッと教室の扉が開き、スレンダーな女性が教室に入ってきた。
「はい!皆さん、お静かに!」
雑談をしていた生徒達が静かになったのを見届けると、女性は黒板に綺麗な字で名前を書いた。
「私が皆さんの担任の、クシャナ・ノアールです。初めてのクラス担任で緊張していますが、皆さんと一緒に頑張っていきたいです。皆、よろしくね!」
ハキハキと挨拶をするクシャナ先生に、生徒達からはパチパチと拍手がおこった。
拍手に照れた先生はウフフと笑いながら、窓の外を指差した。
「じゃあ、さっそく一時間目を始めましょうか。皆、校庭へ移動してくださいね。」
クシャナ先生の指示に従い、皆が教室から校庭へと移動しだした。
「校庭で何をするのじゃろ?」
校庭に移動しながら、吟子はウォンに尋ねた。
「うーん。なんだろうね…。」
そう言いながら、ウォンはキョロキョロと辺りを見ている。
「ウォン、どうしたのじゃ?」
「…え?ううん、なんでもないよ。」
吟子が尋ねると、ウォンは慌てて首を横に振った。
「…良かった。レイはこっちを見てないか…。」
そう小声で呟き、ウォンはホッと息をついた。
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