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「狼男のキム・ウォンです。あの…まだ、妖力は使ったことないので、変化しかできません…。」
ポリポリと頭を掻きながら、ウォンは言った。
「えっと…あなた韓国生まれじゃ…。」
クシャナ先生が、名簿を確認する。
「…そうです。西洋妖怪のせいか、よく驚かれます。」
あははとウォンは笑ってお立ち台を降り、次の子にバトンタッチをした。
吟子の横に座り、びっくりしたでしょ?と、ウォンは笑った。
「ううん。ウォンなかなか、かっこよかったのじゃ!」
ウォンの問いかけに、吟子も笑い返した。
前を見るとお立ち台には、魔女の女の子が上がっていた。
「魔女の御園ちかり!えっと、浮遊魔法を箒にかけます。」
ちかりと名乗った女の子は、箒に魔法をかけた。すると
「きゃあ!」
と悲鳴があがり、クシャナ先生のスカートがめくれあがってしまったのだ。
「あぁ!先生ごめんなさい!!!」
慌てるちかりに苦笑いしながら、クシャナ先生は次の生徒を指名した。
とぼとぼとお立ち台を後にしたちかりに、吟子は声をかけた。
「すごいのじゃ!ちかりは、魔女なんじゃな!かわいいのじゃ。」
「あはは。ありがとう。吟子…ちゃんだっけ?よろしく」
ちかりは、ニコニコと答えた。
「ちゃん付けは、いいのじゃ。吟子と呼ぶのじゃ!で、こっちがウォンなのじゃ。」
ウォンも、ニコニコしながら挨拶をした。
「よろしく。良かったら、隣に座る?」
「うん。吟子に、ウォンね!よろしく!」
ストンと、座りながらちかりは笑った。
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