いち

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「狼男のキム・ウォンです。あの…まだ、妖力は使ったことないので、変化しかできません…。」 ポリポリと頭を掻きながら、ウォンは言った。 「えっと…あなた韓国生まれじゃ…。」 クシャナ先生が、名簿を確認する。 「…そうです。西洋妖怪のせいか、よく驚かれます。」 あははとウォンは笑ってお立ち台を降り、次の子にバトンタッチをした。 吟子の横に座り、びっくりしたでしょ?と、ウォンは笑った。 「ううん。ウォンなかなか、かっこよかったのじゃ!」 ウォンの問いかけに、吟子も笑い返した。 前を見るとお立ち台には、魔女の女の子が上がっていた。 「魔女の御園ちかり!えっと、浮遊魔法を箒にかけます。」 ちかりと名乗った女の子は、箒に魔法をかけた。すると 「きゃあ!」 と悲鳴があがり、クシャナ先生のスカートがめくれあがってしまったのだ。 「あぁ!先生ごめんなさい!!!」 慌てるちかりに苦笑いしながら、クシャナ先生は次の生徒を指名した。 とぼとぼとお立ち台を後にしたちかりに、吟子は声をかけた。 「すごいのじゃ!ちかりは、魔女なんじゃな!かわいいのじゃ。」 「あはは。ありがとう。吟子…ちゃんだっけ?よろしく」 ちかりは、ニコニコと答えた。 「ちゃん付けは、いいのじゃ。吟子と呼ぶのじゃ!で、こっちがウォンなのじゃ。」 ウォンも、ニコニコしながら挨拶をした。 「よろしく。良かったら、隣に座る?」 「うん。吟子に、ウォンね!よろしく!」 ストンと、座りながらちかりは笑った。
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