1本の蝋燭

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「まぁ、気にしてもしょうがないや」 カナンはそう思うと、ベンチから立ち上がり背伸びをした。 「シスター!」 「トアリエ?」 屋敷の方からトアリエが走ってきた。 「シスターやっと見つけた」 「わぁっ!」 走った勢いもあって抱きつかれて倒れそうになった。 「どうしたの?」 「やっと仕事が一段落したので、会いに来たんです」 可愛い笑みを浮かべて、少しときめいた… 「シスター何をしていたんですか?」 「ん?別にブラブラと散歩してただけよ…あ、さっきフォルテに会って少し話をしていたわ」 「フォルテさんに!?」 何故かフォルテのことを聞いて、トアリエはキョロキョロと辺りを見渡した。 「トアリエ?」 「あ、いえ……」 フォルテの姿が無いとわかると、ホッとしたように息をついた。
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