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「あの二人に見つかったら、シスターとイチャイチャ出来ないから…」
眉を下げて寂しそうな顔を向けてそういってきた。
イチャイチャって…
少し可愛いと思ったが、小さな子犬を見ているようで笑ってしまった。
「シスター何で笑っているんですか?」
「トアリエは犬みたいだなぁって思ったの」
「犬?……見たことはありませんが、本で読んだことがあります」
「そっか…この世界には犬がいないのよね」
外灯が照らす辺りを見渡して、カナンは寂しそうに呟いた。
「…シスター、そんな顔をしないで下さい」
「んっ…」
慰めるかのようにトアリエは、カナンの頬にキスをした。
「大丈夫よ、私は寂しくないわ…」
「本当に?」
「うん」
笑顔を見せて頷くと、トアリエは嬉しそうに微笑んだ。
「良かった…ボク、シスターに寂しい思いをさせませんからね」
「ふふっ、ありがとう」
何だか恥ずかしい台詞を言われた気がしたが、トアリエにとってはそれが分かっていないので仕方がない。
トアリエがカナンをリードして、二人外灯が照らす道を歩いた。
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