1本の蝋燭

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-自室 そっと目を開けると紅茶の良い匂いがした。           シスター 「おはようございますお姉様」 「おはよう、トアリエ」 そっと起き上がると、トアリエが紅茶の入ったティーカップを差し出した。 「どうぞ」 「ありがとう」 これが、いつもの朝… 執事であるトアリエにモーニングティーを入れてもらいスッキリとした朝をむかえる……と、いってもこの世界はずっと夜だから朝とは言えない。 カナンがお茶を飲み終わると、今までうずうずしていたトアリエがガバッと抱き着いてきた。 「シスター」 「どうしたの!トアリエ?」 急に抱き着いてきたトアリエに驚いていると、顔を上げたトアリエが寂しそうな顔を向けてきた。 「ボク…シスターと離れていて寂しかったです…」 「そんな、たった数時間よ?大袈裟ねトアリエは」 そういって笑うと、トアリエは顔をムッとさせた。 「ひと時でも離れていたくないんです…折角同じ屋敷にいるのだから同じ部屋がいいです…」 「え!?そ、それは…」 突然のトアリエの発言に驚いていると、部屋のドアが勢いよく開いた。 バンッ           プリンセス 「トア!お前いつまでお姫様の部屋にいるつもりだ!」 入ってきたのは、庭師のサディだった。 ツカツカと部屋に入ってくると、カナンにへばりついているトアリエを無理矢理引きはがした。
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