第1章 間違えた…

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晴れた空には、薄く雲がかかっている。秋の終わり頃の寒気をおびた空気の中、ふらふら歩く女子高生が一人。 「やっちゃったぁー…」 彼女の手には、白い紙が一枚。 「遂に取っちゃったよ~、28点。赤点初めてだよぉ…」 彼女の高校では、30点以下が赤点とされており、中間・期末と連続して30点を下回ると追試。合格しなければ留年となる。 「期末で頑張りゃ何とかなるかな?」 銀杏の並木道を歩きながら、手早くテスト用紙を畳みカバンにしまい込む。 ―もし、生まれ変われるなら英語圏に生まれたいなぁ…― 英語のテストをたたみながら、そんな事を考えていた。 ―どうせ生まれ変わるなら、フランスとかイタリアとかがいいかも。― などと少ない知識の中で何となくオシャレそうな国を挙げていく。 「うわぁ…もうすぐ家だよ~。嫌だなぁ…。」 後2つ角をまがり、1つ横断歩道を渡ると家に着く。
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