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「もしかして彼は式神ですか?」 「いかにも、彼の名は青龍。これ、眉間に皺ばかり寄せているとそういう顔になるぞ」 いや、多分きっと絶対 俺に名前を教えたから余計に皺を寄せているんだと思いますよ。 見ず知らずの男に、勝手に名前を教えられたら誰でも不機嫌になるでしょう。 「晴明、俺は誰とも分からぬ奴をお前の元に置いて置くのは却下だ」 「そう硬い事を言うのではないぞ?」 そうか、安倍晴明を主としている彼は身元も分からない俺を警戒しているのか。 だが、俺は何も出来ない…まぁ護身術としては沢山の事を学んだが、それでも人間だ。 「俺を助けてくれた安倍家の方達に、恩を仇で返すつもりは無い。 それに、十二神将である青龍を敵に回す奴は居ないだろう」 安倍晴明が従える式神というのは、十二神将と呼ばれる神将だと言うのを昔本で読んだことがある。 「だそうじゃ、青龍よ。草木殿は十二神将も知っておるのですか?」 「殿なんて俺なんかに付けないで下さい。 あの、本人前にして言うのもなんですが…安部晴明の大ファンなんですよね」 「ふぁん…とな?」 あ、そっか。 まだ英語とか知らないんだっけ。 「えーと、崇拝っていうんですかね? 阿部晴明という人物に興味があって、毎日本とかを読んでその…知識を」 「ほっほっほ 左様ですか。 こんな年寄りを好いてくださるとは嬉しいですのぅ」
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