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「むむっ…!!」
考えるような素振りが、何を意味するのか分かった。
「名前を知られるのが嫌ですか?
まぁ、名前は短い呪と呼ばれてますもんね…。
それなら、簡単に白兎と読んで良いですか?」
「まぁ… もっくんと呼ばれるよりはマシだな」
これは許可を貰えたと言う事だろうか?
俺は自分でも名付けのセンスが無いと分かっているが、白い兎で白兎<ハクト>というのは分かりやすくて覚えやすいだろう?
‐がらり
と、器用に襖を開く白兎に感嘆のため息をついた。
人語を理解し、操り、人のように動くことが出来る。
なんて素晴らしい式神だろうか!!
「ここがお前の部屋だ。
お、褥の用意がされているということは晴明の奴、天一に頼んでいたのか」
天一とは確か、十二神将の一人『天乙貴人』と呼ばれる上神じゃなかったか?
そんな方に布団の用意をしてもらえるなんて…!!
嬉しさで、変なテンションになってしまったのは言うまでも無い。
まぁ、顔には出していなかったがな。
「この部屋を使え。
いいか、何か可笑しな真似をするなら、十二神将が黙ってないからな」
「何もしない。
それを違えるつもりもない。
まぁ、信じてくれなんて出会って間もない奴に言われても無理だと思うが」
信じるも信じないも、俺の行動で決まるものだろうしな。
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