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倒れている人物が害のある奴だったりせて、そのまま家に帰ったりしたらじい様に何か言われる。
・・・絶対に。
「気を付けろよ、孫ー」
「孫言うな!!」
いつもの怒声が辺りに響く。
『晴明の孫』と呼ばれるのを嫌っている彼の目標は、『晴明を越える』こと…なのだが、いつになることやら。
「昌浩は、今はそんなことよりも」
「わかってるよ!!」
物の怪に言い返し、憤然と踵を返す。
光が満ちていた場所は…
「逆だぞー」
「反対方向だ」
雑鬼たちの言葉にくるりと方向転換。
仕方ないよね、いくら暗視の術を掛けていたとしても暗いものは暗いのだから。
「「「しっかりしてくれよ、晴明の孫」」」
「孫、言うなーー!!」
横で物の怪がため息をついた。
「何だよ。
俺が悪いっていうのかよ、物の怪のくせに」
「物の怪言うな!!
なんども言ってるが、俺は物の怪なんてものじゃなくてだなっ」
「あーはいはい。
物の怪でじゅうぶんだよ、もっくんは」
物の怪じゃなくなったら、もっくんじゃ無くなるもんね。
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