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それからというもの、俺はよく守の研究室に顔を出すようになった。
「ちわー。」
「弁当は?」
「持ってきましたとも。」
もちろん弁当付きだが。
「トワ、何してんの?」
「ショウ!あのね、トワがべんきょうしたいっていったらマモリがホンもってきてくれたの!」
トワはさすがロボットといったところか、覚えるのがとても早かった。
そして覚えたことを毎回嬉しそうに話すトワをみていると、あぁこれが親心か、なんてことも思うようになっていた。
しかし、俺には最近トワ以上に気になることがある。
「守。電球買ってきたぞ。」
「ちょうど良かった!さっきランプの明かり切れてたんだよね。」
「ちょうど良かったって……これ、お前が昨日俺に頼んだんじゃねぇか。ランプの明かりが切れたから買ってきて、って。」
「え……そ、そうだっけ?あ、そうだそうだ!今思い出した!」
「ありがとう。」と言って電球を受け取りランプに取り付ける守の背中を、俺はしばらく見つめていた。
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