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守は最近おかしい。
物忘れが激しくなったというか、なんというか。
始めの方こそ俺も別段気に留めなかったのだが、ついさっき言ったことにさえ先ほどのように「そうだそうだ!」と言って誤魔化すのだ。
でも彼女は何も話さない。
何も俺に話さない。
きっとそれは彼女にとって重要なことであることは確かで、だけど俺はそれを聞く勇気がない。
怖いのだ。
俺の中の何かが、今まで築き上げてきた何かが崩れていってしまいそうで。
だから、臆病者の俺はそれを口にすることなく今日も研究室を後にするのだった。
この後何が起こるかもわからずに。
~♪~♪
「もしもし?」
その一報は突然だった。
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