プロローグ

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――○△高校卒業式。 早咲きの桜が舞い散る中、式も終わりだいぶ人が少なくなった校門の前で君は言った。 「大人になったらさ……いずれ忘れちゃうのかな?」 「…?何を?」 「だからっ……クラスの奴らとバカやったこととか、購買のパンの争奪戦とか、担任の杉本の髪はヅラだったとか。」 「ぷっ…何だそれっ。」 「ホントのことだろ。」 「……そうだなぁ…忘れるんじゃないか?大人になるってことは俺たちも年をとるってことだろ。忘れることもあれば覚えてることもあるんじゃないか?」 君は気まぐれに質問することがあった。 内容は深かったり浅かったりと様々。 でもその時は卒業式で、俺も君も感傷にひたっているんだろうと思って、君が言ったそれにいつものように思ったとおりのことを口に出した。 「……そっ、かぁ…寂しいね。」 でも、俺の答えに呟いた君の顔が今にも泣き出しそうで、泣いたところなんか見たことのない君がそんな顔をするものだから、俺はかける言葉が見つからなかったんだ…――。 .
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