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「――…今日はここまで。各自次の講義までにレポートをまとめること。」 「ふぅ……。」 今日最後の講義が終わり、俺は一時間以上同じ体勢でいたせいで痛くなった体を解した。 かねてから活字中毒とも言われるほど読書好きだった俺は、有名な小説家先生も卒業したとされるこの大学に進学した。 小説活動をしている卒業生が訪れてスピーチをしたり、図書館に置かれている山ほどの蔵書の中にはなかなかお目にかかれない貴重なものもある。 そんな理由もあってか俺はこの大学の図書館が結構気に入っていたりする。 「翔くーん。佐伯翔くーん。」 「なんだよ。うるさいな。」 「ひでぇ。それよりさ!食堂行かね?腹減った。」 そう言って腹を擦りながら屈託なく笑うのは高倉光一(タカクラコウイチ)。 中学の入学式で知り合い、どういう訳かそれから高校までの6年間ずっと同じクラス、しかも同じ大学にまで通っているという……所謂腐れ縁だ。 「悪い。今日はちょっと。」 顔の前に手を出して「ごめん」のポーズをとると、俺はそばに置いてあった弁当袋を手にとって見せた。 「あー、そっか。今日金曜日だっけ?」 「あぁ。一週間に一度の生存確認。」 ケタケタ笑う光一に俺も小さく苦笑しながらも教室を後にした。 .
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