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涙が僕の頬に落ちた…一滴…ニ滴と…
その女はボロボロと涙を流しながら…笑顔だった。
その顔は…凄く素敵な笑顔だった…
不意に女の指が僕の頬を撫でる。
落ちた涙を拭き取る様に…
会いたかった…
「へっ?」
声が出た…
会いたかったよ…
会いたかったと言うこの女性…だけど、僕は知らない…
なんで…なんで…
「…ど、どうしたの?」
僕は震える声で聞いてみた。
好きだったのに…大好きだったのに…
僕の頬を手の平で優しく触る女性の腕には、無数のキズ跡があった。
なんで…なんで…
「どうして…泣いてるの?……」
と、言う僕も知らないうちに泣いていた…
会いたかったよ…大好きだよ…
本当に綺麗な女性だった…
今思っても、なんであんな言葉が出たのか…自分でも予想外の言葉が僕の口から出てきた。
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