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ある朝のことだった。
トナはロビーにいるテルをたまたま見つけ、声をかけた。
「ねぇ、ちょっとこれ見てよ」
「あぁ?」
テルはだるそうに答える。トナが持っているのは新聞であった。
「なんで新聞なんか・・・」
「いいからいいから!とりあえず見なさい」
「ったく・・・、なんで命令口調・・・」
渋々新聞を見ると、大きな文字で
アンヴィラ族の滅亡!?
と書いてあった。
一応有名家に属しているテルは興味を示し、トナから新聞を奪った。
「これ・・・マジなのか?」
「さあ?あたしたちに分かることじゃないし・・・。でも、あたしたちはこういうのと将来戦っていくかもしれない訳だから・・・。」
「消えてるといいけどな・・・」
「うん。」
二人はしばらく新聞を見つめた。
「あたし、今から植物学だから。」
そう言ってトナは立ち上がった。
「おまえ、植物学までとってんの!?」
普通、植物学とは薬師のみがとる科目である。撃術師であるトナにはあまり関係ない分野である。
「いいじゃない、別に。」
トナはそう言うと走って講堂の方へ行った。
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