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「……テル…」
トナが歩いてきた。テルは自動販売機などのあるロビーにいて、珍しく新聞を読んでいた。
「…やっぱ世の中そんなに甘くねーな」
「そうね」
トナは静かにやって来てテルの隣に座った。
「ゾア・アンヴィラって…知ってるか?」
トナは考え込む。
「…それがさぁ、どっかで聞いたか読んだことがある気がするんだけど思い出せないのよね…」
トナはうなる。
「…いや、俺は全然知らなかったからさ、ちょいと調べてみた…」
「へー、やるじゃん。それで?」
「ラオンの直系の子孫みてーだな。そりゃあ町一個ぶっつぶせる訳だ」
トナは苦々しい顔をして頷いた。
「でも…なんでアンヴィラ家が消滅したなんて話が出回ったんだろ。この噂が出てから今回の事件まで時間が空いてなかったからアンヴィラ家の誰かが偽情報流したとは思えないのよね…」
「…いや、アンヴィラ家もラオンの時代からいったら相当人数増えてるだろうし、中にも派閥があることは考えられるだろ」
「確かにそれもそうね。てか、アンタ、こういう事全く知らないと思ってたけど、そうでもないのね。なんか感心しちゃった」
「セロッソ史と植物学とるような撃術師に言われるたあ光栄だな」
テルはかっかと笑いながら答えた。
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