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「なにぼけーっとしてんのよー。」
トナが言った。
彼女はこの術学園の新一年生である。
背は女子の中では普通な方で、長い黒髪を背中に流している。
容姿はかなり良く、澄んだ青い目をしている。
そして、かなりモテているらしい。
「別に・・・ぼけっとはしてねーし。」
彼女に答えたのはテルである。
テルもトナと同じく、新一年生である。
割と背が高く、黒髪で、緑の目である。
そして、カッコイイともてはやされる顔だ。
「ねぇ、何それ。何持ってるの?」
トナがたずねる。テルは何か小さい紙切れを両手で持っており、それに書かれた字を読んでいた。
テルはだるそうにこたえる。
「またかよ・・・」
「また・・・って、何が?」
またトナが言う。
そしてテルの持っている紙切れを覗く。
「てめっ、勝手に人の覗くなよ!」
テルは紙切れを握り潰し、トナに言った。
「あら~~~、またもらっちゃったのね。ラ・ブ・レ・タ・ー。」
テルはトナを睨みつけながら言った。
「なんか文句あんのかよ」
「ううん、なーんにも。」
テルは黙っていた。
「返事はどうすんの?」
「断る」
「うわ、即答した。相手かわいそー。」
トナは口に手を添えて言った。
「誰が好きじゃないやつにokなんかだすかっつの。てか、こいつ知らねんだけど。」
テルはいつもどおりの毒舌不良口調でしゃべった。
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