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そして雲があまりにも美味しそうに食べているので京は少し悪戯心が湧いてきた。
(くそぉ…雲のやつ。チャーシュー全部奪ってやるか(笑))
京は突然、上を見上げて声を上げた。
「く、雲アレはっ!!?」
「えっ!?」
雲は反射的に天井を仰いだ。
その瞬間、京は器用に雲の器からチャーシュー5枚を奪い取り口に詰め込んだ。
「兄ちゃん何もないよ??」
「んん!んんっん」
京は口の中にチャーシューを詰め込み何かを話しているようだが、残念ながら言葉になっていなかった。
「もう兄ちゃん口にものいれたまま喋らないの。まったく………あれ? 私のチャーシューたちは?」
「ぷっはーっ!!美味かったぜ。雲の愛がこもったチャーシューちゃん達は」
「え、はっ!? 兄ちゃん私のチャーシューたち食べたの!? 何で私が最後まで取っておいたチャーシューたち食べるの!? ねぇ何でよっ!!?」
普段の雲からは考えられない剣幕で京を責める。
京は両肘を机に置き、苦悩しているように両手で顔を覆った。
「ねぇ何で食べたゃったの!?」
そして京は顔から手を離すと、思い詰めた表情で雲に告げた。
「うるせぇ……体が…勝手に……動いちまったんだよ…バカ……」
「はい?」
「お前は死ぬな……ナルト」
「はい?」
そして京はガクッと顔から前へと崩れ落ちた。
京の顔は奇しくもナルトが一枚だけ浮かぶスープの中へと音を立てて入った。
ラーメンの汁が周りにはねる。
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