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「俺を知らないのか? 仕方無い暴漢貴様に教えてしんぜよう。誰もが一目置く東家頭首といえば……ふっ察しがいいな暴漢 そうこの俺 東 京様だっ!」
「ってかお前殴られてぇのか?Mなのか?」
「俺はMじゃない! 格好いい男代表東 京、究極の剣豪東 京、カスミに買い物に行くのもそう東 京……KKK(トリプルK)とでも呼んでくれ」
「あー…クズのKだな。とりあえずお前は死にたいってことでいんだよな?」
「果たして死ぬのはどっちかな?」
ヤンキーと京は一定の距離を保ち睨み合う。
その均衡を破ったのはヤンキーでもなく、京でもなく、いたいけな少女だった。
「離せって言ってんだろうがあっ!」
一瞬雷のような火花が上がると、男は崩れ落ちた。
「うお゛っ………」
「あ゛ぁっ……」
少女はヤンキーの股関目掛けてスタンガンをかましたのだ。
片方はヤンキーが散り際に発した呻き。
もう片方はその激痛を想像してしまった京の呻きだった。
「で、あんた何なの?」
「ふっそれを聞くか。そうだなさしずめ英雄になれなかった男とでも言っておこう。アディオス」
京は前髪を手のひらで払うと踵を返し、少女の前から姿を消した。
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