幻想殺し

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少女は京の手から袋を取ろうとする。 「ちょっ、触るな!」 「何でよ!見るくらいいいでしょ!?」 「駄目だっ!お子様が見ていいようなものじゃない」 「誰がお子様よ!早くちょっと見るだけだから!」 京が触れられまいと遠ざけていた袋にスタンガンの手が届く、力のベクトルが反対へと向いた瞬間、もろくも袋は破け、中身がコンクリートである地面に落下する。 「あっ」 「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ!!! 桐乃っ! 黒猫っ!」 Blu-rayの入ったパッケージが地面に落ちた衝撃で傷ついた。 沙織をないがしろにした罰が京に下ったのだ。 違いない。 これが東 京にとってどれほどの衝撃だったのか解る方には解るはずだ。 東 京は崩れ落ちるとBlu-rayを胸に抱きしめた。 「ご、ごめんよ。桐黒……俺がいたらないばかりに」 「うわぁ……アニメオタクかよ。き~もっ! しかも中身別に影響ないじゃん。大袈裟よ大袈裟」 憤怒のキョーは立ち上がる。 「アニメを笑うものはアニメに泣く。忘れるなアバズレ」 「アバズレじゃねぇし! ちょっと見所あるやつかもとか思ったけど あーあ馬鹿らしい」 踵を返し、立ち去ろうとしたスタンガンを京は呼び止めた。 「待てよスタンガン」 「誰がスタンガンよ。何?」  
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