ラーメンの具

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「何さらっと旧ソ連製対戦車地雷の名前出してるのっ!? 兄ちゃんどころか家吹っ飛ぶよっ!?」 「あはは兄ちゃん馬鹿だなー。TM―46は人が踏んだくらいじゃ爆発しないから大丈夫だよ」 「そういう問題っ!?」 「ほら葉ちゃん家着いたよ」 京は引き戸を右に滑らせのれんを潜る。 「おっちゃんうぃっす!」 「おっ京ちゃんじゃねぇか!」 京の後ろから雲がひょっこりと顔を出す。 「おじさん私もいるよ♪」 「雲ちゃんまた可愛くなったな? そろそろおじさんのところに嫁に来ないか?」 「お父さんやめてよ!雲ちゃん吐いちゃうでっしょっ、と」 「う゛っぎゃ!」 奥から出てきて父親の尻に蹴りを入れたのは京の幼なじみである葉。 葉は京と同学年で雲のことをいたく気に入っている。 「いてて…。蹴ることないだろ……」 「雲ちゃんはね私のお嫁さんになるのよっ!」 「ふざけるなっ! お前に雲ちゃんは勿体無い」 客そっちのけで親娘喧嘩を始める。 「ひゅーひゅー妹よ。モテモテじゃないか」 「は、はは……」 葉は二人を店の左奥隅の四角い机へと案内する。 「千本ザクラーめん一つ頼もう」 「じゃあ私もそれでお願い葉ちゃん」  
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