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店にはカノンの曲が流れ始める。
葉は京の頭を優しく撫でる。
「悲しいときに泣けない事ほど、悲しいことはないよね。ほら京素直に泣いていいんだよ」
「な、泣いてなんかないやいっ!メンマがちょっと目に入っただけだい!」
「そうなの? それは不思議な現象だね。まあどうでもいいや。ゆっくりしていってね。それじゃあまた後で雲ちゃん♪」
葉は手のひらをひらひらとさせながら上機嫌で消えた。
「相変わらず美味そうだね兄ちゃん!」
「へへ……まだ何も食ってないのに口の中がしょっぺぇや」
「もう兄ちゃんこれで涙と鼻水ふいて」
雲がティッシュを差し出す。
「ありがとう妹よ」
「いえいえ。それじゃあ頂きま~す♪」
雲が手を合わせてから割り箸をわる。
「やっぱり美味いね千本ザクラーめんは!特に卵に染み込んだスープが口の中で黄身と絡まって何とも言えないまろやかさを醸し出すね」
「あはは……そうだねー雲ちゃんのザクラーには煮卵が4個も入ってるもんねー」
「何言ってんの!兄ちゃんのザクラーにも煮卵入ってるじゃない♪」
「えへへ…二分の一サイズだけどな。因みに雲ちゃんの八分の一だね……」
「もう仕方ないな!はいあげるよコレ。だからそんなめそめそしないしない!」
「あはは……今の流れでわかめが貰えるとは思わなかったな兄ちゃん」
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