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あずまけ
呆れかえる雲を無視し京は「そう」と一呼吸置くと、ベッドの上で握り拳を高々と掲げこう叫んだ。
「俺は主人公になりたいっ!!!」
「いやいや兄ちゃんは絶対主人公になれないよ。路傍の石で終わるタイプの人間だね」
「誰が路傍の石だっ!? いやなってみせる。今日から俺は数々の名作の名言を1日一回は口にすることにした!」
雲は何かを諦めたように溜め息を漏らす。
「はぁ……兄ちゃんもう何でもいいからここの問題だけ教えてよ」
京はわざとらしく咳払いをして窓を開けて近所中に叫び散らした。
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