序章

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私の名前は楠中理音(クスナカ リオン)、18歳。 この春、私立女子大に合格した。つまり私は女子大生、というわけだ。大学合格に伴い現在、一人暮し。彼氏はいない(彼氏いない歴=実年齢)。 今、私は大学の入学式に出席している。周りはみんな、知らない人。緊張しているような、期待に胸踊らせているような雰囲気だ。教壇には恐らく校長か理事長であろう人が大学の歴史やらについて語っている。 つまらない、正直そう思った。親しい人間がいるわけでもなく、聞きたい話でもない。よくも真面目に聞いていられるものだ。 理音は溜息をついた。隣にいた女がチラリ、と見た。話し掛けてくることはなかった。 早く終わればいいのに。 そう思ったが式はその後1時間続いた。
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