厄災の小箱

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コンッコンッ── 「支局長、輝壱です」 小気味いいノックの後、ドアの向こうから聞こえてきた声に鬼助は、何処か諦めた様な溜め息をして、玄蔵は両肘をデスクにのせ「入れ」と鬼助を見てニヤリ。 「失礼します。 何だお前も居たのか」 「何やて何やねん〝朝比奈中尉〟サン」 「ふん、お前も中尉だろうが」 「ケンカなら後にせい。 それと輝壱、鬼助は本日を以て大尉に昇格、これからはお前さんの上司じゃ」 凄みの効いた玄蔵の言葉に2人とも一時、口を塞ぐ。 が、その後の言葉に鬼助と同じ様に拾われ鬼助と幼馴染みであり、好敵手(ライバル)でもある男──朝比奈輝壱は、「なっ!?」と声を漏らす。 「残念やったの。 まぁ頑張ってくれよ、部下」 「このっ!」 「おっ?やるんけ?」 「望む所だ」 「貴様等は人の話を聴いておるのか?」 ふざけて輝壱を煽る鬼助と、それに乗せられた輝壱は、いつの間にやら2人の背後へと移動していた玄蔵に拳骨をもらい苦悶の表情。
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