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「一つ、忠告をしておく」
再び玄蔵の顔が親の顔から、二人の上司としての──ヘルシング日本支局長としてのそれへと引き締まっていった。
「もしかすると奴等の今回の狙いは〝コレ〟かもしれん」
玄蔵が取り出したのは、符やらペンタグラム、ホーリークロスで封印された上に、結界まで張られた壺のような蓋付きの箱。
「おいおい、なんやこのふざげた箱。
中に何入っとんねん!!」
「────ッ!!」
その物々しい箱を前にした二人はそのプレッシャーに冷や汗を流し、輝壱に至っては言葉も出ない様である。
「ピュクシス……パンドラの箱、と言った所かの」
そう告げる玄蔵の前に鎮座する箱は本来、この大袈裟な結界によって神気に満ちている筈が、符による封印の隙間から漏れ出る邪気に結界内が侵されていることから、内容物が如何に危険なモノかが犇々と伝わって来る。
「〝お前等〟はコレに触れん方がよいぞ。
特に鬼助、お前さんのその左腕は危ない」
「誰が触るか、こんなもん。
切り落とした次は消し飛んだ、なんか言うたら咲夜に何言われるか解らんわ」
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