ロシア遠征

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「あー……。 もしもし?エディ君?」 そう自分の腕に名前を付けて話し掛けるという、何とも滑稽な姿を人前に晒している銀髪の少年。 人前と言っても唯一人、銀縁の眼鏡を掛けた東洋人、更に言うなら日本人の特徴を持った、少年だけなのだが。 「……サー、マスター。オ久シブリデス」 「おう、時間ぶりやな。 早速でわるいけど、本部までナビ頼むわ」 「了解。データベース接続……データ照合……完了。ナビゲートイタシマス」 怪訝に眼鏡の奥からその光景を眺めていた少年は、銀髪の方の腕から返事が返ってくると、些か驚いたのか両の眉を吊り上げる。 「会話も出来るのか。 流石は咲夜の作品だな」 「ドウモ初メマシテ、朝比奈中尉ドノ。 神堂大尉ノ左腕ヲ勤メル、エディト申シマス。イゴオ見知リオキヲ」 「うむ、宜しくなエディ。 お前と違って礼儀正しい奴だな」 眼鏡の少年改め、輝壱の皮肉に「フン」と鼻を鳴らすだけで、スタスタと歩いて行ってしまった銀髪少年鬼助。  
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