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「あら、お帰りなさい……
って、どうしたのよ!その腕!?」
「あー……
噛まれたから捨てた」
最近出た薄いノートPCから支局の談話室に肩から血を流しながら入ってきた鬼助に顔を向けながら、そう話しかけるのは、ヘルシング日本支局が……否、ヘルシングが抱える中でも有数の天才メカニックであり、鬼助の幼馴染みでもある、藤崎咲夜である。
「なんで切ってそのままもって帰ってこないのよ!
あんたバカァ?」
「杭の代わりに使こたんや。
ほら、ヴァンパイア言うたら日光、十字架、銀にニンニク、それに杭やろ」
暢気にそんなことを言う鬼助に対し、どこぞのアスカみたいなセリフを吐いた咲夜は「ハァ……」と溜め息を一つ吐いて呆れた様子である。
「義手つくるから、とっとと医務室で手当てしてきなさい」
「あいよ、変な機能やら、いらん機能まで付けんといてや」
部屋から出ていった後に聞こえたくぐもった独り言と廊下に響く奇妙な笑い声に鬼助は溜め息を溢した。
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