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「あ、あぁ……ホンマや」
「そうかそうか。
奴がのう……ほぇっへっへっ……」
と玄蔵は再び顎髭を撫でながら、今にも血沸く血沸く、なんて言い出しそうな某会長のような何とも言えぬ表情を残して、笑いながら医務室から出ていった。
「……なんやねんあのアホみたいな殺気。
末恐ろしわ、あのじぃさん。」
そして遠の昔に現役を退いたにも関わらず、凄まじい殺気を放つ玄蔵にまだ、現役真っ盛りの鬼助の頬には冷や汗が伝う。
「しっかし、玄蔵さん肝心なこと言わんと行ってしもたがな。
誰やねんなあの方って、玄蔵さんが名前聞いただけであんな殺気立つ奴てどんな化け物やねん……」
そうぼやきながら自室へと向かう鬼助。
そして玄蔵の殺気にあてられて暫く医務室から動けなかったのは秘密である。
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