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タクミと有花(ありか)の出会いは、タクミがまだ中学生の頃。
タクミは中学生で、この仕事についた。
タクミは中学生で、家族の幸せと引き換えに“孤独”を選んだ。
「本当に良いのね…?」
「ああ」
「じゃあ、喰らいなさい。それであなたの家族は“あなた”から解放されて幸福になれる」
その能力はあまりにも特別すぎた。
タクミの家族は、彼という存在を忘れてこれから生きて行くのだ。
「……どうやって…?」
「どうやって?ふふっ、もう知ってるでしょ。私は方法を教えることはできないわ」
平然としている有花の横を通り、タクミは父親のおでこに手の平を重ねる。
そして目を閉じ、ただ意識を集中させる。
タクミの頭の中に父親の自分の“記憶”が入って来て猛烈な吐き気に襲われた。
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