オレンジジュース

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「……喉渇いたな」 "元"学園都市最強、超能力者(レベル5)の一方通行(アクセラレータ)は、ソファーで寝転んだまま呟く。 ここは、最近暮らすようになった警備員(アンチスキル)の黄泉川愛穂の住むマンション。 彼には色々と込み入った事情があるのだが、黄泉川はそれを全て引っくるめて彼"ら"を住まわせている。 「ミサカも喉渇いたー、ってミサカはミサカはあなたにジュースを所望してみたり」 「あァ?どォして俺が取りに行かなきゃなンねェンだァ?オマエが行け、クソガキ」 「そんな事言ってると体力が無くなっちゃうよ、ってミサカはミサカは自分の事を棚に上げて指摘してみる」 「……分かってンじゃねェか」 理解してるだけあなたよりマシなの、ってミサカはミサカは~、と言う空色のキャミソールの上から男物のワイシャツに腕を通して羽織っているのは打ち止め(ラストオーダー)。 量産異能者(レディオノイズ)、「妹達(シスターズ)」の最後の20001号。 残念ながら保護者である黄泉川愛穂と芳川桔梗(彼女は同時に被保護者でもある)は外出中の為、自分で何とかしなければならない。 「じゃんけんで決めよう!ってミサカはミサカは名案を思い浮かべてみたり!」 「……面倒臭ェ」 「じゃーんけーん……」 (聞いちゃいねェ) 「ぽん!」 仕方ない、と一方通行は適当にグーを出した。 ・・・・・・ パーを出した打ち止めに対して。 「…………」 「やったぁ!勝った!ってミサカはミサカは喜びを体で表現してみる!」 両手を挙げて跳びはねる打ち止めを見て、一方通行は素直に面倒臭い、と思う。 仕方ないから適当に付き合ってやった上に、ジュースまで持って来るなんて絶対に嫌だ、と目を細めた。
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