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「ほいっ!」
「ーーーあ、」
思わず間抜けな声を出してしまう。
打ち止めは上を指差した。対して一方通行は"上"。
いくら何でも触る事の出来ない打ち止めの指の方向を直接的に変える事は出来ない。
打ち止めの完全なる勝利だった。
「わーい!また勝ったー!ってミサカはミサカは自分のスペックの高さを自画自賛してみる!」
「…………」
目の前で再び跳びはね始める打ち止めに、一方通行は言葉に出来ない悔しさを感じたが、
(……まァ、いィか)
嬉しそうに跳びはねる少女を見ていると、細かい事はどうでもよくなった。
考えてみたら……自分はこの笑顔を守る為に命懸けてんだな、と気付く。
こんな小さな事で、笑顔を生み出せるのなら、いくらでも。
「ったく、しゃあねェなァ。オレンジで良かったかァ?」
「うん!ってミサカはミサカは普通に応じたあなたに驚きながら返事をしてみたり」
一方通行は『うるせェ』とだけ返して冷蔵庫へ向かう。確か下から二段目に大きな紙パックで入ってた筈だ。
コップに注がれたオレンジジュースをちびちびと飲む打ち止めを思い浮かべて、
(はっ……ホント、面倒臭ェよなァ)
一方通行は小さく笑った。
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