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河本の見られた少年は慌てたように家の塀を上り、家の屋根を飛び越えて姿を消してしまった。
いや、辺りに撒き散らした炎どうすんだよ? と突っ込みたい事は色々とあったが、河本はこれのせいで眠れなかったのだ。
「夢なら眠くないはずだけど……ふぁあ~」
とにかく、こんな事があって眠い。
トボトボと桜並木を歩きながら学校へ向かっていた。
数分歩いて、河本は学校の校門の前に立つ。
「ここが……」
寛木中学校。
小さな町にある数少ない中学校である。
生徒達も個々が自立しており、かと言って砕けた生徒もいない、自由かつ真面目な中学校だと言われた。
生徒達は友達と楽しく話ながら、生徒玄関前に張り出された掲示板を見に行く。
どうやらクラス発表が行われているようだ。
「……よし」
河本は力強い頷くと、学校に足を踏み入れた。
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