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快晴。
空からはムカつくぐらい太陽の光が降り注ぐ中、入学式兼始業式に向かう生徒が辺りに満ちていた。
入学式には、クラス変えや新入生など、新しくなることに楽しみを覚えるものだ。
そんな賑やかな雑踏の中、一人だけ、背中を丸めて歩く人物がいた。
河本直樹。
この寛木中学校に転入してきた二年生。
背は160センチほど。
成績は中の下と、あまりよろしくないが、スポーツは割とできる方だ。
いつも眠そうな顔をしていると評判だが、これが普段通りなのだから仕方ない。
しかし、そんな眠そうな顔も、今日はいつにも増して眠たげな顔だった。
「……一体、昨日のあれはなんだったんだ……」
河本は昨日の夜に見た異常な光景が気になって、あまり睡眠時間を得ていない。
昨日あった出来事。
それは、中学生くらいの少年が炎を操って不良高校生を倒すという、あまりにも現実離れした光景だった。
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