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包み紙を手に取ると、後ろで白猫が椅子から飛び降り、扉を開けていました。
ココは白猫に促されるまま、扉へと向かいました。
ココは扉の前で改めて店内を見回しましたが、やはり誰も居なかったので、大きな声で、
『ごちそうさまでした。』
と叫ぶとパタン!と扉を
閉めました。
ココは此処へ来た時と同じ螺旋階段をゆっくりゆっくり降りていきました。
地上に降りてから白猫にお礼を言い、『さよなら』と手を振り家へと走り出しました。
家に帰り部屋に戻ると、ベッドで寝ていたはずの黒猫は居なくなっていました。
ココは窓際にお土産の包み紙を置き、明かりを消し、ベッドで眠りにつきました。
やがて、月の光が街全体に降り注ぎ、どこからともなくフルートの美しい調べと猫の鳴き声が子守歌のように優しく街を包んでいました。
もしかしたら、あの菓子工房は黒猫と白猫のお店だったのかも……
∽おしまい∽
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