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早瀬家の朝は、必ず騒がしい
ドンドンドンドンドン!
…バキィ!!!
「コラァ王李ィィ!!起きんかぁぁぁぁ!!?」
竹刀を手に持った袴姿の大男がドンドン叩いていたドアを破壊して、部屋の中へと侵入した
ズカズかと大きな足音を立てながら向かった先は、ベッド。誰か寝ているようだ
「ふっ…王李よ、恨むならいくら起こしても起きない自分を恨むんだな」
ニヤリと笑みを漏らした男は、竹刀を高々と持ち上げそれを一気に降り下ろした
バッ…バシィィィ!!
「ZZZzz…」
「とっさに枕元の竹刀をとり、寝ながらワシの攻撃を防ぐとは…見事なり…だが、甘い!!」
瞬時に拳をつくり男は、正拳突きを繰り出した
ヒュッ!ドカァァァン!!
「ふぁぁ…」
何かが壁に吹っ飛び、穴が空き、土埃やら何やらが部屋を充満した一時の静寂の中、聞こえたのはあくびの音
「んっ?なんか煙たいなぁ…親父、魚でもやいてんのかな?」
頭をポリポリかきながらベッドから出てきたのは、先ほどあの男が攻撃を仕掛けていた人物。
あの男の息子であり、高校剣道日本一の異名をもつ彼の名は、早瀬王李。中性的な顔立ちで、赤漆黒の髪が特徴的な美少年である。
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