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20年以上前のあの日、俺の家族の歯車は全ておかしくなった。
汐留大賞典の行われたあの日。
母ちゃんは決して話そうとしない。
俺も詳しくは知らないが、うちの家族の不幸の始まりはあのレースに間違いない。
『俺の人生も親父みたいになるのか・・・』
そう考えるとゾッとする自分がいる。
不意にベランダから見えた外の景色がほんのりと薄暗くなり、雷雲がたちこめているようだった。
育斗は吹き込んでくる雨をさっして戸を閉めに向かった。
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