ゴールを過ぎて

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雪の降る3コーナーで育斗はもがいていた 『このままじゃ出れない』 外には草元さんのリディリアーナがいて出せそうもない。 まだ馬には充分脚が残っていて、進路さえあればいくらでも抜け出せる手応えだった。 焦りがタズナを通じて馬に伝わったのかリズムが崩れた。 首を縦横に振り、完全に折り合いを失った。 直線に入ったところで一瞬内が開きかけたがすぐに閉まり、一旦下げざるを得ない状況になった。 この時点で勝負は半ば決まってしまった。
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