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「馬鹿野郎!」
佳織の怒鳴り声がスタンドに響いた。
せっかく世話してやった1頭をこうも無駄にするとは呆れてものが言えない。
スペースの無くした馬は残り100mになるまで全速力で走れなかった。
ようやく外に持ち出した時には先頭から5馬身も離されていた。
自分から声を掛けたのだから自業自得と言えばそれまでだが、内容があまりにも酷すぎる。
とても乗り役として飯を食っているとは言えないくらいの内容だ。
佳織はひとつ深呼吸をしたが、どうしても頭の天辺にある熱いものがとれない。
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