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18歳で騎手デビューした育斗は父と母が騎手だった事もあって同期とはスタートから有利な立場にあった。
父、母の培った人脈が強力なバックアップとなり初戦から勝ちまくった。
初年度から20勝以上を勝ち、小規模だが重賞も獲った。
「俺はこんなもんじゃない。」
競馬学校時代に「そんなんじゃ通用しない」と言い切った教官を見返すように2年目はさらに勝ち星を重ね、ついにはG1まで手に入れ、瞬く間にジョッキ-としてのキャリアを駆け上がっていったのだ。
「俺は一流だ。」
そう自覚していたのは本当に自分だったのかと…
今では信じられない。
勝っている時は不思議なもので
何をやっても上手くいく。ここだと思った勝負所が全てアタル。
どんな弱い馬でも育斗の手にかかれば着を拾ってくる。
いつしか育斗はあいつは「持ってくるよな」。と同僚の
騎手からも先輩からも言われるようになった。
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