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ところが次第に強い馬では勝てるが、弱い馬に乗った時はことごく負けるようになっていった。
少し癖のある馬に乗ると脆さをカバーできずに大崩れする。
そんなことがしばらく続き、いつしか強い馬を任されても掲示板を外す事が多くなった。
あんなに勝てていた自分が遠い存在に思え、いったいどうやったら勝てるのかすら分からない。
弱い馬をあれだけ持ってきていた自分がどんな工夫をしていたのか・・・。
「本当のことを言えばマグレで上手く行っていたのかもしれない。でもそれを言ったら誰も俺を相手にしてくれなくなる。」
そんな事から誰にも相談できずに月日は流れ、マグレで勝てていた自分を認めたくなくて「マジでレースをしていないだけ・・・」というお決まりの逃げ文句で自分を納得させていた。
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