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検量室を出た育斗。
もう今日は乗るレースが無い。
「おれはこのまま終わってしまうのか」
21歳というデビュー3年目の自分がそう思っているのはいささか思い込みが激しいきらいもあるが・・・。
自分の父はかつてどうしようもない乗れない騎手だった事を考えると自分も同じ道を歩んでいくような感じがした。
黒々と覆った雲がどこまでも広がり、日の光はどこにも見当たらない。
育斗もまた、出口の見えないトンネルに入っていた。
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