No.01 神人

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「九澄くんの蜜は、10万人に1人といえるほどのものなのです。」   櫛名田 眠は、僕を一心に見つめそう言い放った。   「僕の体から、そんな匂いが・・・。だから、小笠原君も、一誠さんも五十鈴ちゃんも!」   僕はクンクンと嗅ぎながら驚いた表情をする。   「それは違います。九澄くんのせいじゃありません。これは、神人に与えられた使命なのです。」   眠は、必死に答える。   「じゃ、じゃあ、櫛名田さんも僕のミツがほしいの?」   僕は、少し距離を取り、尋ねる。   「・・・耐えています。」   眠は唇を噛みしめ、小声で言う。  声は若干震えている。
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