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【えろちゅーを目指してみた】 「ん……っ、ふゃ……」 「イギ、リス……」 珍しくアポを取って来たかと思えばアメリカは扉を開いた途端急に抱き着き、唇を寄せてきた。余裕がなさそうな息遣いと舌を吸い寄せる動きが身体の芯を痺れさせる。こいつは何処で覚えてきたのか知らないが、妙にキスが上手い。エロ大使と言われ、キスが一番上手い国と格付けされた俺をも狂わせる。 「……イギリス」 「?!」 抱き締める力が強くなったと思うと頭部を引き寄せ、更に深く口付けられた。口内を弄ばれているにも関わらず、甘いキスに脳が蕩けそうになる。思考を遮断されないように目をきつく閉じてみたが、ちゅぷちゅぷと鳴り響く水音が余計に大きく聞こえる。 「イギリス……会いたかった」 キスを突如中断され、抱き締められたことでアメリカの胸に身体を預けることになってしまった。何時もの高い声とは打って代わり、どこか熱っぽい低めの声音に胸が高鳴る。多分、こんな状態にしたのは俺なんだろうけど。 以前アメリカは俺を見てほしいと言ったことがある。それはどういう意味なのか分からなかったけど、泣きそうな顔をしていたから凄く印象に残っている。俺は昔からアメリカだけを見てきたし、周りから甘やかしすぎだと言われるほど愛を注いできた。これ以上何をしろというのだろう。 でも俺しかいなかったアメリカだからこそ、俺には気付かない何かがあるのかもしれない。もしそれに気付くことが出来たら 「イギリス!好き好き、大好きだぞ」 こいつを愛することが出来るのかもしれない。
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