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【交わらない心】 「イギリス、好きだよ」 そう言って笑うお前を信じられなくなったのは何時からだったか。 俺は人に好かれるタイプじゃない(むしろ嫌われている)から、そういう言葉には裏があると疑ってしまう。友達がいないのは素直になれない性格が原因だが、昔から兄達に疎まれてきたし元来人に嫌われる性質なのかもしれない。 でも、そんな俺にアメリカは優しい笑顔を向けてくれた。出会った時、俺の元ヤン時代なんて知らなかったから当然だ。けれど、あいつは俺の本性を知っても尚好きだと言ってくれた。 独立したのは俺が嫌いになったからだと思っていた。だから、あの頃のような笑顔を向けられると少なからず期待してしまう。本当は独立したあいつが憎くて堪らないはずなのに。 なぁ、アメリカ 早く俺が嫌いだと言ってくれよ (もっと好きだと言ってくれよ)
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