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-君も一緒にやらないかい?-
「ふふ、もうHRも終わったけど、まだ寝るのかな?」
うっすらとした視界の中ゆっくりと目を開けていけば、声をかけてくれた人物の姿がはっきりと見えて来る。
『…あれ、誉君。』
誉君の笑顔を見て起きるのは、どうしてこうも寝起きがよくなるんだろうと思いながらも机からゆっくりと体を起こせば、ん~と小さく伸びをし、金久保の顔を見て自分も笑顔になりながら『おはよう』と挨拶をすれば、私と目線を合わせるように膝を曲げては小さく首を傾げている。
「ぐっすり眠っていたみたいだけど、どんな夢を見てたの?」
彼はクスクスと笑いながら問いかけてきた。
ん?たしかにいい夢を見てた気がするけど思い出せない。
「…思い出せないや」
短時間の間で夢を忘れたことが少し恥ずかしいのか、照れを隠すかのように苦笑いを浮かべれば、席から立ち上がり、時計を見たらそろそろ部活が始まる時間になっていた。
「あ、ごめんね。私の事待っててくれたのに、のんびりしていて。」
金久保は優しいから何も言わずに自分のことを待ってくれてるのかと思い、慌てて鞄に教科書などを入れて部活に向かう準備をしはじめている。
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