インターセプター

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 よぉ、俺の名前はインターセプター。川端家に飼われ、繁さんに仕えるシベリアンハスキーだ。  俺がこの家に来たのは3ヶ月の頃だ。俺の親の飼い主が、川端家に俺を押し付けたのが飼われることになった理由というか原因だ。  当時中学生だった繁さんは、俺の面倒をそれはそれはしっかりと見てくれた。捨て犬同然だった俺を育ててくれた彼に、俺は忠誠を誓ったのさ。  だから、彼に苦労をさせるあの中年女には何度も吠えたし噛み付いたりしたさ。それに、滅多に家にいないあの甲斐性なしには見向きもしねぇ。アイツが繁さんの身代わりになれば、繁さんももう少し平和に生きられるはずなんだがなぁ……。 「おぉいインターセプター、飯だぜ」 「ワンっ!」  いやぁ待ち侘びたぜ。今日も腹一杯飯が食える。 「どうだ?旨いか」 「ワンっ!」  あぁ、市販の物とは言え中々のモンだ。でも、時々食わせてもらえる繁さんの手作りの方が良いけどな。 「悪いな。もっといいエサ食わせてやれりゃいいんだけどな」  ンなこたぁ無いぜ?繁さんこそ、贅沢して生きなよ。おれのエサ代、バカにならねぇんだろ?  
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