インターセプター

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 さて、今は深夜1時30分くらいかな。こっから俺の日課がスタートするのさ  先ずは首輪に繋がれている鎖を、後ろ脚で引っ掻いて……と。  カチャン  よし取れた。あの中年女が買ってきたコレ、安物だから簡単に取れんだよな。  続いて門の前から距離を取って、ジャンプ! あっという間に自由の身さ。でも行き先は決まってるし、どうせ帰ってくる。それに繁さん含めて、俺が夜中に抜け出してることなんざ誰も気付きやしねぇから問題ない。  テケテケと真っ暗な夜道を進み、やがて小さな公園に到着。そこには、黒いオカッパ頭にピンク色のジャージを着た女性がいる。当然人間だぞ? 「お……今日は早い……」 「まぁな、今日は鎖を1発で取れたし」  お気づきの方もいらっしゃるだろうが、ここではっきりさせておこう。俺は人の言葉が分かるし喋れる。  何故繁さんの前で喋らねぇのかって聞かれるが、俺は彼を心配させたくねぇ。それに、あの中年女に知られたら無理矢理テレビ局にしょっぴかれちまいそうだしな。  だから、俺が喋ることを見破り、そして誰にも言わないと約束してくれたこの女性の前でだけ喋る。それこそが俺の掲げたルールだ。  
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