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一体何がしたかったのかよく分からんが、ブチは泣きながら走り去っていった。人に言わせれば、テンプレート展開って流れらしいな。
さてさて、今日は日差しがキツイから日陰に隠れていよう。クソ暑い中娑婆に繰り出す必要なんかねぇからな。
―――
――
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「ここ、ね」
んぁ?やっぱり眠っちまったか。昼飯食えねぇのに起きてる必要もねぇが、番犬が白昼泥棒の監視が出来ねぇんじゃどうしようもねぇか。
それにしても、誰だ?女の声だったな。
「意外と、普通ですね。私の叔父が奇跡を与えたというからどんな人かと思ったけど」
別の女の声?しかも奇跡がどうのとか言ってなかったか?怪しい奴め、番犬たるこのインターセプターの実力を拝ませてやるぜ。
テテテと門の方へ出て、見知らぬ輩に対する咆哮をソフトに
「ぅワンッ!」
「あら犬」
吠えたことに軽くビビったようだが、効果はいまひとつといった感じだ。
1人は日傘を差していて顔が見えないが、まるで古臭い人形が着付けるようなワンピースを召している。
もう1人は学生のようだ。時々見る、美宮さんと同じ制服を着ている。目は澄んだブルーで、髪はクリーム色を混ぜたような茶色。セミロングの髪には特に何もついていない。
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