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川端 繁は溜め息を吐いていた。それは落胆によるものであり、原因は手元のケータイ画面にあった。
『愚息川端 繁へ
今日の夕食を仮面ライ○ーフィッシュソーセージ1本にされたくなければ、献立を考えて食材を買って来い。
資金は帰宅後にレシートを見て渡す。以上
川端家の女帝より』
「……何様だってんだよ」
そう呟きながら廊下を歩く繁。どうせ踏ん反り返って「お母様です」とか言うんだろうな、とか考えながらまた溜め息を吐く。
これがただの冗談ならば笑い話に出来るのだが、過去に3度ほど実現しているために無視は出来ない。
ちょっとだけ顔出したら事情話して帰ろう、と繁は自分の中で結論を導き出した。
昇降口を真っ直ぐ横切り、そこから少し行ったところにある下り階段を下る。
春先だというのにジメッとしている地下廊下を歩いて進み、奥から2番目のドアを押し開く。
中には既に3人の男女がおり、各々が好き勝手に活動していた。
彼らこそ、不動山高校の中でも数ある非公式団体の中でも特に影が薄く碌な活動を行っていない集団。
アンダースカートである。
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